その想い出は、沈んだ後の夕陽のように、いっそう輝きを増した。 |
普段地元に戻った時でも会う人は一人、親友だけだったので、せっかくだから、と参加した。会場は、同級生の家。
六年前に開催された同窓会以来に会う人、そのときに来れなくて、成人式以来の人。中学生の頃は話せるチャンスも勇気もなくて、本当の彼らを知らなかった。いまでは、自分も含め「自分らしさ」を出せるようになって、昔の話に花が咲く。
そして。久しぶりに会った、想い出の人。
中学の時は、誰かを好きになると私から思いを伝えることが当たり前で、告白されたりつきあったり、なんてあり得なかった。その中で唯一私に告白してくれて、中学時代はずっと好きでいてくれた人。彼との再会。
そして、今でも言われたのだ「本当にあの時は大好きだったんだよ」と。
あの頃は彼も自分の思いを口に伝えることもうまくなく、私もそれを受け止めることもできず、しかも私も別の人を好きだったから発展することなどなかったけど、今でも自分の人生の中で「初めて告白してくれた人」という位置づけで淡い良い想い出として残っているのだ。
今では彼も一児の父。「二人目は?」と聞いたら。「いらないの。その分あの子に愛情をたっぷり注ぐんだ」と。彼らしい答えが返って来た。
今回の再会。昔の淡い想い出に色をつけた。これで、もっと色褪せない想い出として残るだろう。彼がそのときプレゼントしてくれた雪だるまの貯金箱と共に。
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